内藤 インターネット先進国といわれる米国と比較した場合、1年ほど前までは、日本でのCDNに対する技術的・ビジネス的な理解は遅れていたように思います。
米アカマイ・テクノロジーズ(以下、米アカマイ)は1999年にサービスを開始したのですが、その当時、すでに米国にはナローバンドではありましたがインターネットの常時接続環境がありました。日本でも最近、常時接続環境がブロードバンド化の波と同時に押し寄せてきていますが、米国はブロードバンドである以前に、常時接続であるがゆえにインターネットが生活インフラとしてどの家庭にも広く浸透していたのです。米国でいち早くCDNビジネスが立ち上がったのはそのためです。
そして2000年秋には、CDNが米国のごく一般のインターネットユーザーにも知られることになる象徴的な出来事が起こりました。接戦となった大統領選挙がフロリダ州で最後に争われたのですが、メディアがその速報をインターネットで配信したところ、その多くが膨大なアクセスに耐え切れずダウンしてしまいました。ところが、米アカマイのCDNサービスを採用していたCNN.COMとWASHINGTONPOST. COMだけが無事だったのです。これを知ったIT記者が、なかなか大統領選挙の決着がつかない中「今日現在の勝者はアカマイ」と報じたのです。こうしたこともあり、米国では早くからコンテンツを1つのオリジナルサーバーで配信することの限界と、CDNの可能性が意識されるようになったのです。
日本でも、最近になってようやくアカマイという企業名やCDNという言葉の意味、役割を理解して下さる企業やユーザーの方々が増えてきたと実感しています。講演先でよく聴講者に質問するのですが、1年前にはアカマイの名前やCDNの真の意味を知っている方は4分の1もいらっしゃいませんでしたが、この6月に「Streaming Media Japan 2002」という展示会で講演した時には、聴講者のおよそ8割がCDNも当社のこともご存知でした。おそらく、今後日本でCDNに対する関心は米国以上に高まり、需要も米国を追い抜いていくことでしょう。