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Interviewインタビュー

2014年9月号

Yahoo!JAPANとの連携で強み発揮
ネットの利便性を未経験の人へ届ける

寺尾洋幸氏

寺尾洋幸氏
(てらお・ひろゆき)
1990年第二電電(現KDDI)入社。95年DDI東京ポケット電話に出向、技術関連企画業務に従事。2004年DDIポケット(旧ウィルコム、現ワイモバイル)に転籍。07年ウィルコム(現ワイモバイル)サービス開発本部副本部長兼計画部長。2010年同社マーケティング本部本部長。2012年同社執行役員営業統括マーケティング本部本部長。2014年4月イー・アクセス(現ワイモバイル)マーケティング本部長。同年6月ワイモバイル取締役兼COO(現任)

ワイモバイル
取締役 兼 COO
寺尾 洋幸 氏

イー・アクセスとウィルコムの合併により誕生したワイモバイルがこの8月、新サービスを開始した。月額2980円という3キャリアのほぼ半額の料金プランでフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行促進を狙う。COOでマーケティングも担当する寺尾洋幸氏は「インターネットの楽しさや便利さを多くの人に届けたい」と意気込みを語る。

8月1日、「Y!mobile」としてサービスを開始しました。新会社は何をするのか、基本的な方向と取り組みについて教えてください。

寺尾 Pocket WiFiのイー・アクセスと、PHSのウィルコムが合併し、「これからどうしよう」と悩んでいたとき、Yahoo!JAPANが合流しました。
 3社のメンバーで泊りがけの合宿をして「どんな会社になりたいか」「どういうことをやりたいか」と侃侃諤諤の議論を繰り広げた結果、行き着いたのが「インターネットの生み出す楽しさ・便利さをみんなの手元に届ける」です。表現は違いますが、みんな同じことを言っていました。
 日本のスマートフォン保有率は53.5%にとどまり、残り半分はまだスマートフォンを体験していないのが現状です。つまり、この5割の人たちはインターネットの楽しさや便利さを実体験できていません。
 一例がショッピングで、近くにお店がないとき、我々はネットで気軽に買い物をしています。ところが親世代にあたる高齢者は、特に地方で生活している場合、遠くのスーパーまで足を運び、重い荷物を持つことができません。かといって、ネットショッピングを利用するには高いハードルがあります。このように、本来ネットの利便性を享受すべき人たちに、まだ届いていない現状を解決したい、というのが我々の思いです。

結局、Yahoo!JAPANとの「資本提携」は2カ月足らずで“破談”になりました。同社との関係はどうなっていますか。

寺尾 その辺りの経緯についてはコメントする立場にはありませんが、業務提携という最適解を見つけました。また、Yahoo!JAPANの村上(臣氏)に取締役として端末とコンテンツ、アプリケーションを担当してもらっています。端末とYahoo!JAPANとの連携の推進役で、営業やマーケティングにおいてもYahoo!JAPANとの連携はかなり進んでいます。

月額2980円でスマホ移行を促進

先日発表した新製品、新サービス、新料金プランには、新会社としてのどのような思いが込められていますか。

寺尾 今回の発表には、2つのポイントがあります。
 まず、スマートフォン向け料金プラン「スマホプラン」で通信容量に応じてS/M/Lの3種類を用意しました。このうち月間1GBの「スマホプランS」は月額2980円(税抜)と、大手3キャリアのスマートフォン向け料金プランのほぼ半額になっています。
 ただ、3キャリアの料金プランは国内通話し放題の完全定額制であるのに対し、当社は1回あたり10分以内で月300回までの国内通話が無料という設定にしています。
 この考え方は、ウィルコム時代に提供していた「だれとでも定額」を踏襲しました。完全定額制にすると、なかには若い男女が「相手の雰囲気を常に感じていたい」という理由でつなぎっ放しにするといったことも起こりえます。そうしたコストを加入者全員が負担するのはどうかと考え、一定の制限を設けたわけです。
 だれとでも定額の履歴を見ても、10分以上通話する機会はそれほど多くありません。とはいえ、なかには「時間を気にせずもっと話したい」というお客様もいます。そこで基本の料金プランはミニマムに設定し、オプションとして月額1000円で国内通話が完全定額になる「スーパーだれとでも定額」を用意しました。

月額3000円程度であればフィーチャーフォンの支払い額と変わらず、スマートフォンへの移行促進が期待できそうです。どのようなユーザーをターゲットにしているのですか。

寺尾 実は料金プランを決めるにあたり、2種類のアンケート調査を実施しました。1つは、フィーチャーフォンのユーザーを対象に「なぜスマートフォンに移行しないのか」というもので、最も多かった理由がスマートフォンの高い料金です。もう1つ、Androidスマートフォンのユーザーに「今どう思っているか」を聞いたところ、やはり「料金が高い」という回答が多く見られました。
 スマホプランは、通話時間や回数、データ通信容量に制限を設けており、決して100点満点の内容ではないかもしれません。しかし、月額2980円という料金は、必要最低限の内容を揃えつつ、お客様があまり「高い」と感じることなくお支払いいただけるのではないかと自負しています。

サービスでは、Yahoo!JAPANとの連携を前面に打ち出していますね。

(聞き手・土谷宜弘)
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