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NECシステム建設 代表取締役:馬場 征彦 氏

NEC 企業第一ソリューション事業部長:都築 一雄 氏



VoIPIP電話IPセントレックス



NEC:SIP対応 テレフォニーサーバー


IP Telephony Solution】

SIP Solution

Out Sourcing Solution

VoIP Solution

IP Centrex Solution

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2003年6月30日 発行


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<SIP Solution>――NECシステム建設
自動設定機能搭載のSIP対応端末発売
IP電話サービス運用も丸ごと支援
NECシステム建設が、IP電話事業者のサービス展開を強力にバックアップするトータルソリューション事業に乗り出した。SIP対応でオートコンフィグレーションを可能としたVoIP-TA製品の投入と合わせ、加入者向けの配送・設置、保守サポート、さらにセンター側の運用システム構築までをワンストップで提供していく。



FG-1000S
 NECシステム建設は2003年2月、IP電話サービス用の加入者向けSIP対応VoIP-TA 「FG-1000S」を事業者向けに発売した。
 この製品は、海外ITベンチャー製品の国内向け展開を事業とするジャパン・ブロードバンド・ソリューション(JBBS)と共同開発したもので、韓国のVoIP関連機器メーカーElesign社の最新SIP規格(RFC3261)に準拠したプロトコルスタックをベースに、このところ相次いで登場してきた国内のコンシューマー向けIP電話サービスに対応できるようカスタマイズを施した。
 一番の特徴は、オートコンフィグレーション機能を盛り込んだ点にある。VoIPプロトコルとして従来から使われてきたH.323やMGCPでは、コンフィグレーションの仕組みを持っているが、SIPではまだ未整備のため、ウィークポイントとされてきた。
 NECシステム建設では、この課題を独自の技術によってクリアした。FG-1000Sを回線に接続し電源を入れると、センター側のプロファイルサーバーに自動アクセスし、ユーザーに付与されるIDやパスワード、電話番号等の情報をダウンロードして自動設定を行う。
 これにより、ユーザー側で面倒な設定の手間が解消されるうえ、事業者側もサービス開通までの問い合わせ対応を軽減できるようになる。
 その 他、電話関連の機能としては、一般公衆網との接続ポートも装備しており、IP電話サービスで対応していない110・119などの緊急通話やフリーダイヤル等の番号をあらかじめ登録することで自動的に公衆網を選択し発信・通話が可能となっている。また、IP電話、公衆網を問わずナンバー・ディスプレイやキャッチホン機能を利用できる。
 加えて、NAT・IPマスカレード対応、DHCPサーバーなどの特徴を備えたルーター機能や、ブリッジ機能も搭載した。

中川 貴之 氏
NECシステム建設
ネットワーク事業本部
ネットワークソリューション事業部
商品企画部長
ネットワーク事業本部ネットワークソリューション事業部・商品企画部長の中川貴之氏は、「ブリッジ機能は、ルーターを使わないマルチキャストなどの画像系トラフィックをサポートするには必要となるため、今後SIP・VoIPを軸にサービスの付加価値化を目指す事業者には必須の機能と考えています」と話す。



 IP電話サービス市場にFG-1000Sの導入を進めていくには、事業者側のセンター設備との相互接続性も重要となる。この点については、NEC製のSIPサーバー「CX6820-SS」をはじめ各社の製品との検証を積極的に行っており、マルチベンダー・マルチキャリア対応を確立していく構え。接続試験も比較的順調に進んでおり、すでに10数社の事業者において評価が行われているという。

長年の経験生かし
課金・精算システムも提供

 NECシステム建設では、FG-1000Sの投入に併せて、IP電話のサービス運用をトータルで支援するさまざまなソリューションも提供していく。
 端末供給に関わる部分では、加入契約完了後からサービス開通までの一連の作業―端末のキッティング、配送、設置、保守サポートまでをアウトソーシングメニューとして用意した。
 また、事業者側のバックヤード設備についても、端末側のオートコンフィグレーション機能と顧客管理システムを連動させる「オートコンフィグプロファイルシステム」をはじめ、トラフィック分析、課金、事業者間精算、顧客管理等々の独自開発システムも提供する。さらには、サービス加入者に対するヘルプデスクのアウトソーシングサービスも視野に入れている。

「FG-1000S」が提供するオートコンフィグレーション機能

IP電話事業者向けの端末配送・設置サービス
 中川氏は、「これまで電話サービスを手がけていなかったISPやCATV事業者は、既存のユーザー管理システムの中に課金関連の仕組みがないケースが多くあります。当社は、通信事業者向けに長年提供してきたシステム構築のノウハウを持っていますから、IP電話での新規サービス立ち上げにも貢献することができます」と、自社の強みを説明する。



CATV、FTTH市場に重点
端末の品揃えも強化

 さて、IP電話サービスはブロードバンド市場を牽引する付加価値の筆頭といっても過言ではない。そして、この分野に参入する事業者形態も、従来から電話サービスを展開してきた一種事業者、電力系NCC、ISPを中心とした二種事業者、CATV事業者等々、多岐にわたる。
 NECシステム建設では、こうした幅広いターゲット層に対する営業展開として、(1)NECとの連携、(2)商社やSIとのパートナーシップ、(3)自社の地域営業部門からのアプローチ、(4)ネットワーク事業本部による直接提案、の4つの体制で取り組んでいく。
 また、各種ブロードバンドサービスの中で、CATV(ケーブルインターネット)およびFTTHに重点を置いていく。その理由について、中川氏は次のように説明する。「DSL市場ではVoIP-TA一体型モデムが主流でメーカーの顔ぶれも決まってきていることから、当社が入り込むのはそう簡単ではありません。しかし、CATV市場では事業者数の多さからモデムの種類も多いため、外付け型のVoIP-TAのほうが有利です。また、FTTH市場は、今後の加入者増に伴う端末需要の伸び、それ による端末価格の低廉化でさらに加入者の増加が見込めるという好循環が期待できます」
 NECシステム建設では今後、IP電話市場の拡大を睨んで、製品ラインナップの拡充にも積極的に取り組んでいく構え。
 今年秋ごろには、FTTHサービスへの対応を強化するため、高速対応の端末を投入する計画。また、企業向けサービスとして事業者各社が力を入れ始めているIPセントレックスで利用可能なタイプも揃えていく。これらの製品については、多ポート化やVLAN機能の搭載などを図っていく。
 加えて、SIP採用のメリットを生かしたマルチメディア対応端末も開発を進めている。中川氏によれば、「単なるゲートウェイアダプターではなく、マンマシンインターフェースを装備していくことも考えています」という。
 一方、バックヤード向けのシステムでも、事業者のサービス運用に不可欠となる音声品質測定関連のシステムを提供していく。これは現在、測定機メーカーと共同開発を進めている「R値モニタリングシステム」と呼んでいるもの。IP電話サービスの通話品質基準であるR値を常時モニタリングし、数値に変化が見られた場合は品質を維持するための対策としてネットワーク機器にルート変更などの設定変更を自動的に行う仕組みという。
 端末からセンター側設備にいたる品揃えと、事業展開を強力に支援するサポートサービスをワンストップで提供するNECシステム建設は、IP電話事業者にとって激しい競争を勝ち抜くための“頼れるパートナー”となりそうだ。



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