PBXを中心とする企業の音声ネットワークシステムにも本格的な「アウトソーシング指向」の流れがやってきた。きっかけを作ったのは、キャリア/ISP各社のIP電話サービス。これまで拠点間ネットワークや内線側のLAN環境で進んできた企業のIP電話(VoIP)利用を、一般電話との通話部分にも適用できる素地が整った。こうしたことから、もともと情報系システムで先行していたIPインフラのアウトソーシングの中に電話システムも含まれるようになってきた。
さらに、キャリア各社が提供を開始したIPセントレックスがニーズを後押しした。PBXの音声サービス機能をセンター側の設備で一括提供し、システムにかかる運用管理も含めたコスト削減を実現しようというものだ。
しかし、ユーザー側には少なからず戸惑いもある。「どのキャリアのサービスがよいのか」「従来のPBX機能はどの程度カバーされるのか」「信頼性はどうか」「端末機器の運用管理はどうすればいいのか」――これまで自らの最適な形として運用してきたシステムを、サービスでしか付き合いのなかった企業に任せてよいのかという不安が拭い切れないのだ。
こうした課題に対して、国内PBX市場のトップベンダーであるNECが解決策を提示した。7月1日から提供を開始した「i-NetValue IP電話アウトソーシングサービス」だ。