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NECシステム建設 代表取締役:馬場 征彦 氏

NEC 企業第一ソリューション事業部長:都築 一雄 氏



VoIPIP電話IPセントレックス



NEC:SIP対応 テレフォニーサーバー


IP Telephony Solution】

SIP Solution

Out Sourcing Solution

VoIP Solution

IP Centrex Solution

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2003年6月30日 発行


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<IP Centrex Solution>――NEC
「キャリアフリー」のIP電話をメニュー化
リモート監視で品質面の不安も解消
キャリアのIPセントレックスサービスで火が付き始めた企業の電話システムに対するアウトソーシングニーズに、NECが意欲的な取り組みを見せている。7月1日に提供を開始した「i-NetValue IP電話アウトソーシングサービス」は、ベンダーならではの強みを生かし、“キャリアを問わない”IP電話や高度なPBX機能もサービスとして提供するとともに、導入コンサルティングから運用管理までサポートする多彩なメニューを用意した。


 PBXを中心とする企業の音声ネットワークシステムにも本格的な「アウトソーシング指向」の流れがやってきた。きっかけを作ったのは、キャリア/ISP各社のIP電話サービス。これまで拠点間ネットワークや内線側のLAN環境で進んできた企業のIP電話(VoIP)利用を、一般電話との通話部分にも適用できる素地が整った。こうしたことから、もともと情報系システムで先行していたIPインフラのアウトソーシングの中に電話システムも含まれるようになってきた。
 さらに、キャリア各社が提供を開始したIPセントレックスがニーズを後押しした。PBXの音声サービス機能をセンター側の設備で一括提供し、システムにかかる運用管理も含めたコスト削減を実現しようというものだ。
 しかし、ユーザー側には少なからず戸惑いもある。「どのキャリアのサービスがよいのか」「従来のPBX機能はどの程度カバーされるのか」「信頼性はどうか」「端末機器の運用管理はどうすればいいのか」――これまで自らの最適な形として運用してきたシステムを、サービスでしか付き合いのなかった企業に任せてよいのかという不安が拭い切れないのだ。
 こうした課題に対して、国内PBX市場のトップベンダーであるNECが解決策を提示した。7月1日から提供を開始した「i-NetValue IP電話アウトソーシングサービス」だ。

石井 泰之 氏
NEC
企業第一
ソリューション事業部
事業部長代理
 このサービスの目玉は、同社のIP-PBX「APEXシリーズ」の最新機種であるSIP対応テレフォニーサーバー「SV7000」をコアとするセンター側のシステムを活用しIP電話サービスを提供すること。これに加えて、サービス導入のためのコンサルティングからシステム設計、構築、運用管理までトータルサポートを実現する各種メニューを整えた。

PBXで培った
高度なサービスを提供

 具体的なサービス内容を見ていこう。
 まず、拠点間ネットワークの部分で提供される「IP電話サービス」では、APEXシリーズで培ってきた多彩な機能を継承し、代表、保留、転送など500種類以上の基本サービスとともに、構内PHSやユニファイドメッセージ、通話明細管理、障害対策などを付加サービスとして用意した。また、ユーザー側に設置する電話端末についても、PBXシステムで揃えてきたIP多機能電話機、SIP端末、ソフトフォン、PHSなどをレンタルで提供する。



 一方、IP電話サービス用の“050”番号を付与し、一般電話との通話を提供する「回線サービス」は、月額基本料を1回線500円、国内通話が全国一律で3分8円〜、国際通話が1分10円〜に設定している。ただし、自らが050番号を持つサービス事業者になるわけではなく、キャリアが提供するIP電話サービスを同社が取りまとめ、ユーザーに対して一括して提供し、課金・料金請求作業を行う形となっている。
 実は、ここに1つのポイントがある。NEC・企業第一ソリューション事業部事業部長代理の石井泰之氏は、「当社のサービスは、“キャリアフリー”であることが最大の特徴であり強みです」と説明する。通話料の部分にある“最大”の文字は、現在キャリア各社から出されている料金設定の上限を示したもので、実際には、ユーザー個々の要望やサービス導入環境、各拠点のロケーション等々をコンサルティングし、最適なサービスを選定した段階で具体的な料金設定がなされる。もちろん、複数のキャリアを組み合わせた形であっても、ユーザー側にはNECから1つのサービスとして提供される。
 しかし、NEC側の立場で考えると、キャリアフリーの環境を整えるためには、各社のネットワークとの接続やサービス品質を検証する作業に相当な手間がかかることになるはずだが、この点について石井氏は、「当社は、キャリアクラスのIP電話システムで多くのシェアを獲得していることを考えれば、検証作業にかかる負荷もそれほど重いものにはなりません」と、同社ならではの優位性を強調する。

i-NetValue IP電話アウトソーシングサービスの概要
 ユーザーにとって、最適なネットワーク構築と並んで重要なのが、安定したサービス品質の確保。そこでNECでは、従来から提供している企業ネットワーク向けの運用監視サービス「ActWatchサービス」に、IP電話の音声品質監視も行う「ActWatchVoIP監視サービス」を追加し、i-NetValue IP電話アウトソーシングサービスのメニューとして10月から提供を開始する。テレフォニーサーバーの障害情報、トラフィックデータの収集に加え、拠点間の音声品質についても常時監視を行う。



コールセンターを手始めに
業種・業態別メニューも揃える

 i-NetValue IP電話アウトソーシングサービスを利用することによる企業ユーザー側の一番のメリットは、電話設備の管理費や通信コスト、運用管理費用を削減し、キャッシュフローの改善が図れることにある。石井氏は、その具体的な効果について「ネットワークシステムを自前で構築する場合よりも最大で50%程度のコスト削減が見込めます。さらに、新しい機能やサービスへの対応も容易なため、従来のように機器のリース期間を気にせずにネットワークの見直しを行えます」と補足したうえで、「当社としても、新しいコストダウンの仕組みを積極的に取り入れることで、お客様がサービス導入後も、毎年効果が上がっていくような提案を進めていきます」と意欲を見せている。
 その一方で、NECはサービスの提供形態として、アウトソーシングをトータルで請け負うだけでなく、「システム機器をお客様が購入し当社のセンターに設置する形や、従来と同じようにオフィス内に設置してIP電話サービスや運用管理のサポートを提供するといった形も可能です」(石井氏)と、ユーザー個々の条件に合わせて柔軟に対応していく考え。
 同社は今後、サービス強化策として業種・業務別のメニューも揃えていく。その1つとして、コールセンター向けにシステム運用からオペレータ派遣までトータルなアウトソーシングを実現する「コールセンター運用サービス」を10月から提供する。また、6月にIP電話を活用したソリューションとして「IPテレフォニー」「ユビキタス会議」「IPコンタクトセンター」「住民遠隔相談」の4つを発表しているが、これらとアウトソーシングサービスの連携も視野に入れている。



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