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Interviewインタビュー

2026年1月号

競合SIerを“ライト&クイック”で凌駕
ローカル5Gや6G、AIで次なる成長へ

牛島祐之 氏

牛島祐之 氏
(うしじま・ゆうし)
1960年4月生まれ。84年4月に日本電気システム建設(現NECネッツエスアイ)入社。2013年4月に同社 執行役員 兼 営業統括本部東日本支社長、14年6月に同社 取締役 兼 執行役員、17年6月に同社 代表取締役執行役員社長に就任。22年6月に同社 代表取締役執行役員社長 兼 CEO、24年6月に同社 代表取締役執行役員会長 兼 CEO、25年6月に同社 シニアエグゼクティブアドバイザー、25年7月より現職

NESICホールディングス
代表取締役社長
牛島祐之 氏

2025年7月、NECネッツエスアイとNECネクサソリューションズを傘下に置く中間持株会社「NESICホールディングス」が本格始動した。同社の牛島社長は、両社の技術力を融合し、新たな価値創造を目指すと意気込む。さらに、多様なパートナーとローカル5Gや6G、AIエージェントの業務利用を推し進めることで、競合SIerを凌駕する売上規模を確立し、NECグループの存在感を高めていく。

NECは2025年1月、51.36%を出資していた上場子会社のNECネッツエスアイを完全子会社化しました。どんな経緯があったのでしょうか。

牛島 NECとNECネッツエスアイは親子上場の関係にあり、その構造自体が長年の課題となっていました。NECネッツエスアイをNECグループ“内”に取り込むのか、それとも独立した“外”のプレイヤーとして活動していくのかを検討した結果、前者を選択することにしました。
 NECネッツエスアイの事業の進め方はNECと異なる点も多く、その強みをNECグループ内に取り込み、NECが持つ多様なアセットと組み合わせることで、グループ全体がより強くなるだろうと判断しました。
 これにより、NECはNECネッツエスアイの力を組み込み、グループ全体の成長につなげることができます。NECネッツエスアイとしても、NECのアセットを活用することで、より「ライト&クイック」(軽く・早く)な事業展開が可能になると考え、今回の完全子会社化に至りました。
 NECネッツエスアイはネットワークを中核に、近年は働き方改革などDX領域にも事業を広げてきました。しかし、ネットワーク領域から業種別アプリケーションといった上位レイヤーへと踏み込むには大きなギャップがあります。それを自前開発やM&Aで埋めるという選択肢もありましたが、いずれも時間がかかりますし、リスクも大きいです。

7月には、NECネッツエスアイとNECネクサソリューションズを傘下に置く中間持株会社「NESIC(ネシック)ホールディングス」を設立されました。その狙いについてお聞かせください。

牛島 NECネッツエスアイとNECネクサソリューションズ、さらにそのグループ各社を含めた事業群を、中期的な視点で最適な形に再編していくことが狙いです。
 NECネッツエスアイが主導する形でも、NECが直接指揮する形でもなく、NESICホールディングスという中間持株会社を新設することで、より望ましいガバナンス体制を取れると判断しました。一言で言えば、このホールディングスは両社の経営資源やシナジーを最大化するPMI(Post Merger Integration)を推進する役割を担う会社です。
 また、NECネッツエスアイとNECネクサソリューションズの事業が新たな姿に変わりつつあります。

どういうことでしょうか。

牛島 NECネッツエスアイに関しては、NECから国内の消防・防災事業を承継しました。NECネッツエスアイでも従来からこの事業に取り組んできましたが、NECの事業を受け継ぐことで、NECグループとしての消防・防災分野のサービスの質を高められるとともに、NECネッツエスアイの競争力強化にもつながります。海洋エンジニアリングの事業などもNECとともに推進し、事業ポートフォリオと提供価値を拡大していきます。
 自治体や各業界向けにITサービスを提供しているNECネクサソリューションズは、7月からNECのSME(中堅・中小企業向け)向けITサービス事業を承継し、NECソリューションイノベータの一部部隊も合流する予定です。これにより、これまで東名阪を中心に展開してきたNECネクサソリューションズは、全国をカバーできる企業へと変貌を遂げていきます。

NESICホールディングスの社長に就任され、約半年が経過しました。

牛島 就任して一番の手応えは、NECグループが1つにまとまってきたという点です。かつてNECネッツエスアイが上場していた頃は、「NECはライバル」「お互い負けないように頑張ろう」という雰囲気が少なからずあったと思います。今はむしろ、一体感を持って「どうやって市場での競争力を高めるか」という視点を共有できていると感じています。
 市場では現在、信頼性が求められるものづくりと、新しい技術によるイノベーションが求められています。前者は、空港などのミッションクリティカルな用途で使われる生体認証技術や、独自LLM(大規模言語モデル)「cotomi」などを開発するNECが担い、後者はNESICホールディングスが挑戦していきます。そうした役割分担と推進力が揃い、NECグループとして非常に幅広いニーズをカバーできると考えています。

将来的にNECネッツエスアイとNECネクサソリューションズが合併する可能性もあるのですか。

(聞き手・津野篤)
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