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Interviewインタビュー

2022年8月号

5G/6G時代へ変わるデータセンター
分散化でデジタル社会の基盤作る

藤原洋 氏

藤原洋 氏
(ふじわら・ひろし)
1954年福岡県生まれ。1977年 京都大学理工学部卒業後、日本アイ・ビー・エムに入社。日立エンジニアリング、アスキー等を経て、1996年12月にインターネット総合研究所を設立、同社代表取締役所長に就任(現任)。2012年4月 ブロードバンドタワー 代表取締役会長兼社長CEOに就任(現任)。総務省Beyond5G推進戦略懇談会構成員、デジタル変革時代の電波政策懇談会構成員等を歴任し、2022年2月にデジタル田園都市国家構想応援団(デジ田応援団)代表理事に就任した

ブロードバンドタワー
代表取締役 会長兼社長 CEO
藤原洋 氏

過去10年以上にわたり大規模化・集中化を続けてきたデータセンター市場の潮目が、5G普及を機に変わろうとしている。ハイパースケーラーへの対抗軸の1つとして地域分散化を進めようとしているのがブロードバンドタワーだ。Beyond 5G推進戦略懇談会のメンバーも務める、会長兼社長の藤原洋氏はデータセンターの将来像をどのように描いているのか。

2000年にインターネットデータセンター事業を開始してから22年。この間、データセンター(DC)の役割と機能は変化してきました。これから本格化する5G時代については、どのように展望していますか。

藤原 インターネットのテクノロジーが進化するのに伴って、DCの役割は変わってきました。
 1997年に日本初の商用インターネットエクスチェンジ(IX)を東京・大手町に作り、そこに直結するデータセンターで事業を始めたのが2000年。当時はWeb1.0の時代でした。
 我々が事業を始めた2000年以前には、今あるようなDCは存在しませんでした。複数のプロバイダーがトラフィックを交換するための相互接続ポイントとしてIXが登場し、このIXに直結するかたちで作られていったのが、現在一般的になっているインターネットDCです。
 Web2.0になってDCの役割も大きく変わり、情報サービスの大部分が米国のハイパースケールプロバイダー、いわゆるGAFAMに移りました。
 クラウドコンピューティング全盛の時代になったわけですが、日本にあるハイパースケールDCを作っているのはすべて海外のプレイヤーです。我々も含めて、日本のプレイヤーは誰もやれていません。

5G時代には、状況は変わりますか。

藤原 DCの使い方は、分散型になっていくと予想しています。アプリケーションが要求するラウンドトリップタイム(RTT)に応じてDCを使い分けるのです。理由は、低遅延、多数同時接続、高速大容量という5Gの特徴を活かせるDCが必要とされるからです。
 ハイパースケールDCの需要は今後も引き続き増大しますが、並行して、都道府県に1つ、あるいは政令指定都市に置かれるリージョナルDC、そして、より小規模なエッジDCへと分割していくでしょう。我々もこの変化を見越して事業領域を広げていこうとしています。
 当社は現在、東京と大阪の都心型DCを主体に事業を行っていますが、そう遠くない時期に我々独自のハイパースケールDCを作ろうと考えています。都心型DCとハイパースケールDCがRTT20〜100ms(ミリ秒)の領域を担い、リージョナルDCが20ms以下、エッジDCが5ms以下と、RTTに応じたサービスを展開することで、都心型DC会社からの脱皮を目指します。

運用技術でGAFAMを追い越す

千葉県の印西や大阪府の彩都に次々とハイパースケールDCが建設されていますが、日本のDC事業者は誰もGAFAM相手のビジネスができていないのが現状なのですね。

藤原 GAFAMを顧客にできているプレイヤーは国内にいません。
 理由は、彼ら自身で作って運用したほうが効率がいいからです。グーグルやアマゾンが印西に作っているDCの規模は約5000ラック。当社の新大手町DCは750ラックですから、規模は7倍です。
 現時点ではNTTやKDDIから回線を買うだけで、DCの構築・運用を日本企業に頼む必要はないわけです。

その現状を変えるには。

藤原 2つの方向性があります。
 1つは、GAFAMよりも効率よくハイパースケールDCを運用できる技術を確立することです。それなら、彼らもこちら側に来る。その技術のアイデアは色々とありますが、まだ具体的なことは言えません(笑)。これから検証します。
 場所についても、現在は印西や彩都に集中していますが、どちらも電力の安定供給に懸念があります。我々独自でハイパースケールDCに適した場所を新たに見つけようとしています。
 これは、情報サービスのレイヤではなく、あくまでDCの構築・運用でGAFAMに対抗しようという方向性です。そして、もう1つがWeb3です。

Web3は、特定の管理者が存在せず、巨大プラットフォーマーを仲介者とせずにデータ等のやり取りが可能になる非中央集権型のインターネットを目指すものですね。

(聞き手・坪田弘樹)
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