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2004年8月号

モバイル放送
代表取締役社長
溝口哲也氏
手の平サイズでどこでも受信
発展型衛星放送が新市場を開く

今年10月、人工衛星を用いた新たな放送サービスが始まる。
モバイル放送の溝口哲也社長は、「これまでにない新しいサービスを提供し、
人々のライフスタイルを変えていきたい」と意欲を語る。

Profile

溝口哲也(みぞぐち・てつや)氏
東京工業大学理工学部卒業。1963年東芝入社。1995年パーソナル情報機器事業本部長。1996年取締役就任。1998年上席常務に就任。2000年と取締役専務に主任。2001年モバイルコミュニケーション社 社長に就任。2003年から現職のモバイル放送代表取締役社長

  モバイル放送とは、どのようなものでしょうか。

溝口 私どもモバイル放送が提供するサービスは、今までになかったタイプのものです。今年3月13日、静止衛星軌道上に独自の放送衛星を打ち上げました。そこから発信した電波を地上で受信し、映像や音声を楽しむことができます。従来の放送衛星と最も異なる点は、衛星本体に直径12mの大型アンテナを搭載し、2.6GHz帯で送信することです。これにより、パラボラアンテナを必要とせず、手の平サイズの機器からも受信できるようになりました。

  2.6GHz帯は浸透率が低いので、ビルの多い都心部などでは受信しにくいのではないでしょうか。

溝口 トンネルやビル陰などには、「ギャップフィラー」という電波再送信装置を設置することで対応します。主要な鉄道や道路を対象に鋭意、設置を進めています。サービス開始時には、首都圏の主要な鉄道線、全国の高速道路、主要国道でストレスなく受信できるようにしたいです。

  サービスの開始時期が当初アナウンスしていた7月から10月に変更されましたね。

溝口 楽しみに待っていただいている方々にご迷惑をお掛けしています。今回、サービス開始時期の変更を決断したのは、後ろ向きな理由からではありません。エンドユーザーの皆さんにより高いサービスを提供したかったからです。ギャップフィラーの整備もその一環。現在、少しでもサービス品質を高めるべく、手を尽くしています。
 また、サービスの窓口となる受信端末は重要なポイントです。メーカー数社に端末の開発と、生産準備をお願いしています。時期をずらしたため、サービス開始時には魅力的な数機種の端末のなかからユーザーにベストバイを選択していただけるようになりました。

  前例のないサービスだけに、実際にきちんと受信できるか、心配する声を聞きますが。

溝口 まったく問題ありません。現在、全国の主要道路で20台の電測車を使った受信状況の実態調査を行っています。私どもの当初予測より10%高い結果が得られました。衛星軌道の関係から、南側に約45度の視界が開けていれば受信でき、インターリーブの回り込み効果により短いトンネルならばギャップフィラーなしで受信できることが分かりました。9月くらいまでには全国くまなく、主要県道レベルまで調査し、その結果を皆さんにお知らせしたいと考えています。
 さらに、アンテナメーカーと協力し、別売りアンテナの開発を進めています。持ち歩ける小型アンテナや自動車のルーフに取りつけるタイプなどを供給することで、いつでも持ち歩き放送を受けられる“With Me(ウィズミー)”型のライフスタイルを提案したいと考えています。

映像7、音声30chを提供

  どのような放送コンテンツを用意していますか。

溝口 現在、試験放送として映像4ch、音声20chを提供しています。これを10月の本サービス開始時には、映像7ch、音声30ch、データ情報サービス60タイトルとする予定です。映像では、ニュース、スポーツ、音楽、ドラマ、アニメ、経済情報など選りすぐりのコンテンツを24時間、365日提供します。土日のみのプレミアムコースとして、競馬などの公営競技チャンネルも開設します。
 音声には特に力を入れています。移動中と考えたとき、映像よりも音声の方が使いやすいですから。最新ヒット曲から演歌、クラシックまでさまざまなジャンルの音楽がチャンネルごとにお楽しみいただけます。最近、iPodのような音楽ツールがブームとなっていますが、モバイル放送では音声であれば、わざわざ手間隙かけてダウンロードする必要はありません。月々1500円程度、映像を含めて2500円程度の料金で“使い放題”感覚で最新の音楽を楽しめます。

  コンテンツでは音楽がメインなりますか。

溝口 そうですね。海外のFM局と提携してアメリカ西海岸の最新ヒットチャートをそのまま聞けるチャンネルも提供します。現在は英会話の番組がありますが、将来的には、英会話以外でものラーニング分野に力を入れていきたいと考えています。例えば海外の大学校の授業をリアルタイムで放送できないかなど、アイデアは尽きません。

  料金設定はどうしますか。

溝口 今のところ加入料2500円、月当たりの基本料が400円。これに加え映像もしくは音声のみサービスを1500円前後に設定しますので、平均受信料は2000円程度になると考えています。料金を低めに抑えたので、多くのユーザーに加入していただきたいですね。

3年目には150万加入目指す

  加入者数の目標は。

溝口 初年度21万人、次年度が85万人。3年目に150万加入を突破する段階で事業採算性が成立し、株式公開を視野に入れていく、というのがベストのシナリオです。

  新サービスのマーケットはどこにあると考えていますか。

溝口 ターゲット層を絞って、サービスを訴求したいと考えています。1つが、通勤、通学時などちょっとした“隙間時間”での利用。家に帰れば茶の間で見ることができるテレビも、移動中には見れません。実は、電車の中というのはメディアの空白地帯なのです。サービスイン時には、都心部の主な8路線で切れ目なく受信できるようにします。
 さらに、いつでもどこでもCD並みの音質で受信できるというメリットを訴えます。アウトドアでのレジャーの合間に、釣果を待つ間にと、隙間の需要はたくさんあります。
 ですから、モバイル放送の特徴をユーザーのライフスタイルの合わせ、シーンとして提案するというマーケティング戦略をとります。登山や釣りの専門誌への展開など、“琴線”に触れる広告を展開し、モバイル放送のコアファンを増やしていきたいですね。

  他にターゲットにしているユーザー層は。

溝口 私どものサービスは、郊外地方でより価値が見出されると思っています。地方ではいまだに、2、3chのテレビ放送しか受信できないところがたくさんあります。そういった“メディア過疎地”では、少しでも多くの先端的なコンテンツ、情報を求めているのです。
 「人口の少ない地方部は市場性がない」とよく言われます。しかし、衛星を利用したサービスは、全国一律でまったく同じ内容のサービスを同時に提供できます。人口1000人の過疎地でも、それが1万カ所あれば1000万人の市場規模に膨れ上がるということです。
 今後はそういった地方での“メディアディバイド”の解消を目的に、地方自治体でギャップフィラーを整備していただくという動きも出てくるかもしれませんね。

  米国で衛星ラジオサービスを提供しているシリウス社のように、カーステレオ向きの市場もあるのではないですか。

溝口 自動車向けの需要には非常に期待しています。常に移動し、通常のFM放送などが届きにくい場所に行くことが多い自動車に、モバイル放送のサービスは親和性が高いと考えています。
 先日アメリカに出張したとき、フォードのムスタングをレンタルしたところ、シリウスの受信機が標準で取りつけられていました。付加サービスとして、3ドルの追加料金で提供しているのです。シリウスのサービスは月額12.5ドルですから、レンタカー会社では差額の収益を得ることもできるようです。こういったビジネスモデルは、レンタカー会社に限らず日本でも可能でしょう。

あらゆる市場を掘り起こす

  あらゆるところにマーケットの可能性が秘められていますね。

溝口 自らマーケットを広げていきたいと考えています。実は、先だって会社の定款を改定し、端末の開発・製造・販売をできるようにしました。これを受け、PCやPDAに装着し利用できるカード型端末の開発を独自に進めているところです。PC向けソフトと合わせて販売することを考えています。
 最近のPCはAV機能の充実をうたっていますが、モバイル放送との連携は最強のAV化になるでしょう。日本市場では苦戦が続くPDAがブレイクする切り札になるかもしれません。
 さらに、独自の販路開拓も進める予定です。地方部でも気軽に端末が入手できるように、Webでの直販を検討しています。

  例えば、モバイル放送のモジュールを携帯電話の内蔵するということはできますか。

溝口 技術的には十分可能です。携帯電話に限らず、いろいろなデジタル製品との組み合わせが可能です。基本的には、CPUとディスプレイがあれば実装できます。デジタルカメラに搭載するというのも面白いかもしれませんね。現在日本には3億台の携帯型ラジオがあります。そのうち実際に使われているのが8000万台。AM/FMラジオにモバイル放送を組み合わせ、置き換えを狙っていきます。その市場だけでも巨大なものなのです。
 将来的には、単体の端末よりも、他の機能と連携した「複合型製品」のウエートが高まっていくと予想されます。

1セグ放送とは競合しない

  1、2年後には地上波デジタル放送の1セグメントをモバイル機器向けに当てるとされています。モバイル放送とライバル関係になりませんか。

溝口 1セグメント放送については、現実と比べ若干ミスリードがあるようです。東京タワーのような電波塔から発信される地上波デジタル放送は本来、地上高5m以上の大型アンテナを前提としたものです。ですから、モバイル機器での受信は自ずと制限され、サービスエリアも電波塔の近隣地区に限定されるのではないでしょうか。
 その点モバイル放送は、全国津々浦々でサービスを提供し、かつ、受信しにくい個所への対策も進めていきます。双方が目指しているサービスの姿が違いますから、自ずとマーケットも異なってくるのではと思っています。

  モバイル放送という新規事業をどのように育てていきたいと考えていますか。

溝口 私はモバイル放送という会社を、単なる「放送局」だとは考えていません。インフラを整え、パートナー企業に対する技術的な検証や支援を進め、優良なコンテンツを集め、一部は内製する。今までにない「モバイル放送」というメディアを核に、人々に新しい夢を提供したいと考えています。
(聞き手・土谷宜弘)
 

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