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2007年8月号

ソフトバンクモバイル
取締役副社長
営業・マーケティング統括 営業担当
富田克一氏
ドコモ、auの後追いはしない
3位が1位になるには流れを作る

ソフトバンクモバイルは、
TCA(電気通信事業者協会)が発表する携帯電話契約数で、2カ月連続して純増トップに立った。
富田副社長は「1位は偶然ではない。さまざまな施策が浸透し、構造的に勝てる流れができてきた」と語る。

Profile

富田克一氏
(とみた・かついち)
1943年生まれ。67年3月京都大学工学部数理工学科卒業。同年日本電気株式会社入社、電子計算機開発本部。86年7月第二OA装置事業部第一製品技術部長。90年7月パーソナルコンピュータ販売推進本部長。99年6月取締役支配人。2000年4月NECソリューションズ執行役員常務。03年6月NECフィールディング代表取締役社長。06年6月退任。同年7月ボーダフォン執行役副社長。07年6月ソフトバンクモバイル取締役副社長 営業・マーケティング統括 営業担当

TCA(電気通信事業者協会)の携帯電話の契約数で、5月に続いて6月もトップになりました。好調の要因はどこにあるのでしょうか。

富田 要因は必ずしも1つではなく、複合だと思います。孫(正義)社長は昨年のボーダフォン買収時、市場で勝っていくために「3G端末の充実」「3Gネットワークの増強」「コンテンツ強化」「営業体制およびブランディングの強化」という4つのコミットメントを発表しました。この4つの機軸がそれぞれきちんとできたことが大きいと思います。
 例えば端末では、昨年「AQUOSケータイ」を発売し、ワンセグ端末でナンバーワンになりました。その後、各社がこぞってワンセグ端末を投入しています。昨年の秋冬商戦では薄型に力を入れましたが、今春は各社とも端末が薄くなりました。春商戦で“ファッション”をテーマにしたところ、各社の夏商戦では色とりどりの端末が登場しています。
 このように、商品の展開において他社の後追いではなく、自ら変化を作り、業界の流れにしています。その結果、市場の評価を得ることができたのだと思います。

端末以外の3点についてはいかがですか。

富田 ネットワークに関しては、基地局の設置が目標の4万6000局の到達はやや遅れていますが、3月ごろから急激に数を増やしてきています。市場調査でも「つながりやすくなった」という声が増えています。エリアは、投資して着実に基地局を立てていけば確実に広がります。端末のような勝ち負けの世界とは異質です。
 コンテンツは、ヤフー!につながる「Y!」ボタンを搭載し、当社の最大の強みであるポータルサイトとの融合をいち早く実現しました。PCと同じことが携帯電話でも実現できるようになっています。
 営業体制では、今までは地域単位での営業体制だったのに対し、キャリアショップや量販店、併売店といった販売チャネル別の切り口にしました。その結果、量販店市場は明らかにシェアが向上し、ショップや併売店への事業展開にも好影響を及ぼしています。

真似のできない料金プラン

月額利用料金980円という格安の料金プラン「ホワイトプラン」の導入も顧客獲得にかなりの力を発揮しています。

富田 こうしたベースがあった上で、最大の評価を受けているのが「ホワイトプラン」です。基本的なコンセプトは1時から21時までの国内通話が自網内無料ですが、さらに3月にオプションプランの「Wホワイト」、6月には家族間通話(国内)が24時間無料になる「ホワイト家族24」を出しました。
 この3つの「ホワイト」により、「ソフトバンクは安い」という実感をユーザーに持っていただくことができました。ホワイトプランという他社には真似できない料金プランが非常に有利に働いているのは事実です。しかし、料金プランがよくても、魅力ある商品がなければ1位にはなれません。
 1位になるのは偶然もありますが、今回はそうではないと実感しています。というのも、今年1月ごろから、九州や北海道など地域ごとの月次の純増で1位を獲るところが徐々に拡大してきました。さまざまな施策が浸透し、構造的に勝てる流れができてきたのだと思います。
 3位が1位になろうとしたら、後追いをしていてはいつまでもなれません。1位や2位と同じことをするのではなく、変えるべきことは変え、商品やサービス、料金体系などすべての面で新しい流れを常に作り、その中で自分たちの特徴を出していきます。“流れはソフトバンクから”を実践し続けたいと考えています。

6月下旬から夏商戦が始まりました。目標は何ですか。

富田 この夏商戦は“スタイル”がキーワードです。ユーザーの趣味趣向が多様化しているので、約2億4000万通りのバリエーションができる「fanfun 815T」や、「AQUOSケータイ」の第3弾となる「912SH」など多彩なラインアップから好きな商品を選んでもらう一方、今後ニーズの拡大が見込まれるWindows Mobile OSを搭載したスマートフォンもしっかり出していきます。
 目標としては、何か1つ突出して拡大するより、バランスが重要です。限られたリソースの中で、今ある4つの機軸と料金プランを着実に進化させてお客様の信頼度を高め、ソフトバンクを選択していただけるようにしたい。純増シェア1位をできる限りキープしたいと思います。
 携帯電話の加入者はまもなく1億になろうとする規模で、市場は極端には動きません。社内では「十年戦争」と呼んでいます。10年かけるということではなく、長い戦いになるという意味です。顧客ベース5000万のドコモと戦うには、後追いではない戦略をいろいろな切り口で世の中に提案し、市場を喚起するという繰り返しが大事です。その結果として何年か先に業界トップを自らのものにしたいと考えています。

前線基地を拡大

販売代理店や量販店に対する施策のポイントは何ですか。

富田 代理店も量販店も、全国規模で展開している会社が多くあります。各地域の責任者が地域ごとに管理するよりも、一本化した本部でしっかりした考え方で取り組めば、お互いにWin-Winの関係になれる施策がきっちりできます。そういう見方をすれば、チャネル特性に合わせた支援をするべきだろうということで、チャネル別に分けました。
 量販店に関しては、一部を直契約にし、本部商談を直接やらせていただく体制にして、売り場面積を拡大しました。やはり、前線基地が広いのと狭いのとでは、最終的な販売量に差が出ます。そうしたことを店舗ごとに直接説明させていただき、その結果、量販店市場でのシェアをかなり上げることができました。
 併売店もシェアの高いところと低いところがあるのですが、併売店で契約を1件取ると、ライバルへの契約を1件減らしてソフトバンクを1件増やすことになるので効率的です。販売チャネルによって打つ手は少しずつ違ってきますが、併売店もシェアアップのための施策に取り組んでいる店舗への支援を拡大していきます。

ショップにおける取り組みは。

富田 ショップも前線基地を広げることが重要です。この3月末、キャリアごとの店舗数を調べたところ、他社も当社もそれほど大きな差はありませんでした。一方、カウンター数はドコモが1万3000〜4000、auが1万に対し、ソフトバンクは6000強。これだけ差があってはいつまでも勝てないということで、今年度中にカウンター数を1万にしようと代理店にも声をかけました。もともと、いろいろな代理店から出店要求はあったのですが、さらに要求が来ました。全ての要求に応じて出店したら、ドコモを超えるぐらいのカウンター数になります。
 割賦販売を始めたことで、以前より説明に時間がかかるようになり、他社と比べて待ち時間がやや長くなっています。カウンター数が少ないとさらに待ち時間が延びてしまいます。
 お客様の満足度を上げるために、待ち時間をゼロにするにはどうすればいいかと考えた結果、待ち時間が長く、カウンター数が少なくてシェアも低い地域は優先的に出店するような施策をとっています。こうすることで、今年中に前線基地を1万カウンターに拡大していきます。
 とりあえず前線を広げないことには顧客接点の面積が増えません。だから、店舗数ではなくカウンター数で目標を設定しています。今年、カウンター数を増やした上で、1店舗当たりの効率や生産性をよく見極めたいと思います。
 ソフトバンクではこれまで、“1商圏1店舗”の発想がありました。もし、当社の加入者を1600万で守るなら、この考え方を踏襲すべきかもしれませんが、これを2倍にも3倍にも拡大していく目標を達成するには合いません。
 そこで、この商圏保護のような考え方はやめて、「カウンター数、シェア、待ち時間の3つのパラメーターで判断する」と代理店に伝えました。
 今、ドコモやauを使っているお客様がソフトバンクに関心を持たれても、契約しようとショップに行ったら混んでいて待たされた、というのではどうしようもありません。本当の競争は外にあるので、商圏に関して言えば保護政策ではなく、市場攻略です。我々は契約者の純増では拡大基調の流れにあるので、守るより攻めの考え方です。

ショップではスタッフの離職率の高さが問題になっています。

富田 スタッフの確保は大きな課題です。しかし、反対にスタッフを確保できないような見通しでの出店申請はお断りしています。
 コンプライアンスなどは非常に重要なので、ソフトバンクでもスタッフの基本教育に力を入れています。やはり、きちんとお客様に説明できる態勢を整えつつ、カウンターを増やすことが重要です。代理店向けにはさまざまな奨励金がありますが、ソフトバンクショップスタッフ資格認定制度に対する支払いを強化しています。

中堅・中小企業を掘り起こし

法人分野がクローズアップされています。法人市場への取り組みはどうなっていますか。

富田 法人は今年あたりからけっこう動くのではないかと予想しています。ソフトバンクテレコムが法人部隊を活用する一方で、ショップの近辺にある中堅・中小企業の掘り起しにも注力していきたいと考えています。
 ある会社では、固定電話をやめて、社員全員が「ホワイトプラン」に加入し、基本料金は会社が負担しています。こうした、契約上は個人だけれども実は法人という市場は、けっこう大きいと思います。そこに、我々の特徴である「ホワイトプラン」を使って浸透していきたいと考えています。

NECから転身して1年が経ちましたが、感想をお聞かせください。

富田 社内文化という意味ではショックを受けていません。NECでは20年来PCを担当してきて、3カ月ごとに新機種を出していました。それ以前は大型コンピューターを担当していたのですが、何百人もの人が3年がかりで1台を作っていました。陸上競技にたとえるなら、大型コンピューターはマラソンなのに対し、PCは短距離走です。時間軸に対するものの考え方がまったく異なります。つまり、早さと速さの文化が違います。
 PCと同様に、ソフトバンクという会社の特徴はスピードです。ドコモやauに勝っている点でもあると思います。孫社長が物事を決定するスピードは速く、まさに孫イコール速さです。そういう点で、私はソフトバンクに来て異質な感じは受けていませんし、まさにこの情報革命時代にふさわしい企業と感じています。
 ただ、携帯電話業界は、インターネットで生産者と消費者をダイレクトに結ぶ時代に、流通経路が複雑だったり、会社が地域ごとにあったり、販売奨励金の仕組みなどに疑問を感じます。
 総務省のモバイルビジネス研究会でも話し合われていますが、おそらく変えるべきところはいくらでもあり、今後どう変わっていくかは予断を許さないでしょう。いずれにしろ、携帯電話業界のビジネスモデルに疑問を持つ会社が出てきたのは大きく、モデルを変革していくべきなのではないかと思います。
(聞き手・土谷宜弘)

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