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2008年4月号

イー・モバイル 代表取締役会長兼CEO
千本 倖生氏
アドオンの音声サービスで客層広げ
データ通信の巨大市場を切り拓く

1年前の2007年3月、HSDPAを利用した定額高速モバイルデータ通信で
携帯電話市場に参入したイー・モバイルが、この3月にいよいよ音声サービスをスタートさせる。
代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏は、
「音声サービスはアドオン(追加機能)という考え方。
あくまでデータに軸を置き、明日のビジネスモデルを切り拓く」と意気込む。

Profile

千本倖生氏
(せんもと・さちお)
京都大学工学部電子工学科卒業。日本電信電話公社(現NTT)を経て、1984年に第二電電(現:KDDI)を共同創業し、同社副社長。96年慶應義塾大学大学院教授に転じる。99年IP通信ベンチャー、イー・アクセス株式会社を創業し、代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)に就任。05年イー・モバイル株式会社を創業し、代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)に就任。この他、国内外のベンチャー企業の社外取締役を兼務

「電話基本料0円」の音声サービスを3月28日からスタートします。このインパクトのある価格設定の意図はどこにあるのでしょうか。

千本 まず始めに伝えたいことは、我々はモバイルブロードバンドから携帯電話市場に参入した、データ通信ありきの会社であるということです。音声サービスを始めた後も、事業の柱が「データ」であることに変わりはありません。
 ですから、音声は付加サービス、アドオン(追加機能)という考え方なのです。アドオンとして負担にならないようなものにしようと考えた結果、「基本料0円」という形になりました。
 音声を事業のメインに据えている事業者であれば、まずは音声基本料としてある程度の金額を頂くという考え方になるのでしょうが、我々はそれとは違う。データ通信を軸とした観点に立っているんです。
 さらにもう1つ、わかりづらい料金プランはやめたいという思いも大きかったですね。今の携帯電話事業者の複雑怪奇な料金システムをきちんと理解しているユーザーは少ないのではないでしょうか。その点、基本料は0円で、無料通話などは設定せず、使った分だけの通話料を頂くというのは、どなたにもご理解頂きやすい価格体系ではないかと思います。

すでにイー・モバイルを契約しているユーザーに対しては月額のデータ通信料を1000円割り引くプランがあります。これもデータユーザーを優遇する意図があるわけですね。

千本 はい。データをたくさん使っていただければトータルのお支払い料金を割安にしますというメッセージです。あくまでデータ通信が我々の事業のメインということです。
 では、なぜ今回音声サービスをスタートさせたのかという疑問が出てくるかと思いますが、やはり、モバイルでデータしか使わない人というのはそこまで多くない。かといって、音声のみでデータを一切利用しないという人もまた少ない。ほとんどの人が音声とデータの両方を日常的に利用していると思います。データ通信のみでは振り向いてくれる母集団が少ないですが、音声もデータも使えるとなると母集団は一気に広がります。そこで一度イー・モバイルに興味を持っていただければ、我々のデータ通信の優位性にも気づいていただけると思っています。

業界最安値の従量料金

月額980円を支払うと、イー・モバイルの携帯電話間が24時間話し放題となるほか、固定電話や他社携帯電話への通話料も安価になるオプション「定額パック24」のインパクトも大きいと思います。

千本 定額パック24で注目して頂きたいのは、イー・モバイル間が話し放題というのもさることながら、固定電話宛て通話が30秒当たり5.25円という価格。実は、これは業界最安値なんです。
 本来、固定宛て音声通話のアクセスチャージは非常に安いもの。5.25円という価格でも採算は十分に取れますから、今までに出てきていてもおかしくなかった。にも関わらず誰もやっていなかったのは、そこが事業者にとってドル箱だったのです。
 さらに、他社の携帯電話・PHS宛て通話が30秒当たり9.45円という価格も、他社のプランと比べてかなり安い水準にあります。これらを併せて、かなり破壊的な価格を実現していると思います。
 もしかすると、基本料0円ということよりも、980円払っていただいた上での従量料金の安さが一番効果的にユーザーにアピールできる部分といえるかもしれません。おそらく、音声サービスにおいては定額パック24が主戦場になるでしょう。

音声端末のターゲットはいわゆる「2台目需要」となるのでしょうか。

千本 確かに、音声サービスだけを見ると、ローミングという形でエリアをNTTドコモのネットワークに頼っており、カバレッジに課題があるのは確かです。そのためどうしても「2台目端末」だと思われますし、我々もわかりやすいようにあえてそう言っている部分もあります。
 ただし、それは音声から見た観点です。視点を変えてデータという側面から見ると、我々の方に圧倒的にメリットがあるわけです。イー・モバイルの音声端末は「音声の2台目端末」ではなく、「データを中心とした1台目端末」というわけです。
 高速モバイルデータ通信は今後一番伸びる分野です。グーグルやマイクロソフトなどインターネット業界のトッププレイヤーが携帯電話市場への意欲を見せていることも、それを象徴しています。携帯電話はここ1〜2年で急激に変化し、市場のあり方は大きく変わりつつある。近い将来、データ通信市場は爆発的に成長し、現在の10倍以上に伸びると確信しています。

千本さんは繰り返し、「日本の携帯電話市場が飽和に近づいているというのは間違いだ」と主張しておられます。音声によらない新しい市場を切り拓こうというチャレンジャー精神がそこにあるわけですね。
(聞き手・土谷宜弘)
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