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2011年10月号

日本通信
代表取締役社長
三田聖二氏
キャリアにはできない仕事をする
無線+クラウドで市場千倍も可能

「b-mobile 1GB定額」やイオン限定サービスなどで
最近話題を集める日本通信。
業績のほうも3四半期連続で黒字と好調だ。「MVNOによる新規参入モデルは
2年以内に黒字転換できると証明できた」と三田聖二社長は胸を張る。
MVNOの開拓者が次に挑むのは「次世代のインターネット」――。
その産業規模は、現在のインターネットの1000倍になるという。

Profile

三田聖二氏
(さんだ・せいじ)
1949年生まれ。73年カナダ国鉄入社。コンレイル鉄道を経て、82年ロングアイランド鉄道の副社長に就任。84年シティバンク エヌ・エイ副社長、87年メリルリンチ証券プロダクトオペレーション担当副社長。89年モトローラに入社し、本社副社長兼日本法人常務取締役。94年アップルコンピュータに入社し、本社副社長兼日本法人社長。96年に日本通信を設立し、代表取締役社長に就任。78年デトロイト大学電気工学科で工学博士課程修了。84年ハーバード大学経営大学院の上級マネージメントプログラム(A.M.P)修了

苦しい時期もあったかと思いますが、2011年度第3四半期以降、3四半期連続で黒字が続いています。いよいよ黒字転換を果たしましたね。

三田 法制度の改正など、環境整備から取り組む必要がありましたから、時間はかかりました。ただ、あまり理解されていないのは、事業モデルの基礎ができてから数えると、黒字転換まで2年もかかっていないということです。
 2007年11月の総務大臣裁定を経て、NTTドコモの3G網との相互接続が完了したのは09年3月のこと。それから黒字化を達成するまで、1年と3四半期です。しかも、現在では売上の9割以上がこの相互接続モデルによるものになっており、以前のPHSなどの売上はほとんどありません。

「ようやく」ではなく、「たった2年弱」だというわけですね。

三田 移動体通信市場に今から新規参入し、ドコモやKDDIに正面から挑むのは、僕は「クレージー」であると思っています。しかし、それでも新規参入は必要です。なぜなら新しいアイデア、特にコンピュータ業界のアイデアというものが、移動体通信市場のさらなる発展には不可欠だからです。そこで僕は「何かやらないといけない」と当時の郵政省に事業計画を提案し、日本通信を創業しました。
 現在では誰でも日本通信と同じようにドコモと相互接続してMVNOを開始することが可能です。僕らはこの新規参入モデルが2年以内に黒字転換できるモデルであると証明したのです。

キャリアと競合するつもりはない

日本通信が移動体通信市場への新規参入の可能性を広げた一方で、ネットワークを貸し出すキャリアの側には今も不満はあります。

三田 ドコモのトップマネジメントの方は、僕らに非常に親しくしてくれています。しかしながら依然、「なぜ我々のネットワークを使わせないといけないのか」といった気持ちが現場の一部にあることも理解しています。
 ぜひ分かっていただきたいのは、日本通信はネットワークの空いている部分しか使っていないということです。総務省のMVNOガイドラインは、自社でネットワークを使い切っている場合には、MVNOに売らなくていいと定めています。

「余った帯域を使っているのだから、決して迷惑はかけていない」と。航空会社から空席を仕入れて販売する格安チケット事業者のモデルと似ていますね。

三田 そうです。ただ少し違うのは、僕らはその「空席」をディスカウントして仕入れているわけではない点です。きちんと「原価+適正利潤」をお支払いしています。ドコモにとってはすべてが利益になるわけで、おそらく日本通信以外のどの1社からも、それだけの利益は得ていないのではないでしょうか。

とはいえ、それでもキャリアには「自分たちの市場を奪われているのではないか」という不安があるのではないですか。例えば日本通信のSIM製品のアクティブユーザー数は、今年6月末時点で16万5573に達していますが、こうした数字を見ると、そうした懸念にも一理ある気がします。

三田 僕らがターゲットにしているのは、キャリアが意識していない市場、あるいはキャリアがやりたくてもできない市場です。キャリアと競合するつもりなどありません。
 通信のように巨大なインフラ投資が必要な産業では、どうしてもフレキシビリティは失われます。象にどんな服を着せても、バレエは踊れません。
 そこで総務省と一緒に発明したのが、重い資産を持たずに新規参入できるMVNOのモデルです。非常に強力なパワーを持ったキャリアと、フレキシビリティに優れたMVNOでは、担うべき役割が違うというのが僕の考えです。

1カ月3100円で下り最大14Mbpsのデータ通信が行える「b-mobile 1GB定額」や、下り最大100kbpsで月額980円のイオン限定サービスなど、日本通信の料金体系はMVNOのフレキシビリティさを示す好例ですね。多様なニーズに応えるサービスを提供することで日本通信は支持を広げてきましたが、その安さ自体も人気の理由と言えます。

三田 日本通信は現在、最も安く3G通信サービスを提供していると思いますが、他キャリアのように単なる「安売り」をしているわけではありません。「ネットワーク部分での粗利が50%以上ない商売はやらない」というのが僕らの基本方針です。コストを下げなかったら、料金は下げません。

ところで、キャリアが直面している課題としては、「土管化」の問題が以前からあります。三田社長はどうお考えですか。

(聞き手・土谷宜弘)
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